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提供エリアが限定的なのはインフラが高品質であることの裏返し
NURO光は他の光回線サービスが軒並み1Gの速度しか出せない中で、最大2Gという圧倒的ハイスペックを誇る光回線です。
現代において革新的テクノロジーの普及速度は凄まじく速く、一企業が実現した革新技術など、他のライバル企業が研究してすぐに追随してきます。
iPhoneだって、発売当時はライバルの携帯会社は太刀打ちできませんでしたが、数年もたつと韓国や台湾、中国のメーカーが研究を重ねスマートフォンを売り出しました。最初の頃こそ貧弱なスペックで格安でなければ売れないレベルでしたが、技術を磨いてメキメキ腕を上げ、今ではアップルに追いつき追い越すほどの強敵にまで成長しました。
それと同じことが光回線で起こっても、まったく不思議ではありません。
日本を代表する光回線と言えば、フレッツ光。NTT東日本/西日本だってNURO光の2Gのハイスピードを脅威に思ってライバル対策を始めていることでしょう。
いよいよNTTも10Gサービスを開始しましたね。
NURO光を支える技術の核、G-PON
NURO光の最大速度2Gを支える技術の一つが、『G-PON』と呼ばれる伝送技術です。
G-PONは『PON』という技術をベースにしています。
PONとは、「Passive Optical Network」の略で、簡単に言うと「一本の光ファイバーを複数の光ファイバーに分岐する技術」を意味します。
元々光ファイバーの配線は、光ケーブルを一本そのまま使うと莫大な費用がかかってしまいます。利用料金を下げて一般家庭でも使えるようにするには、一本の光ファイバーを複数に分けてみんなで共同で使えばいい。
一本の光ファイバーを最大32本に分けて使う仕組みです。
ぐれ太
ポンポンポンポンポン!
ひとぉ〜つ、人の世生き血をすすり!
ちび太
おまじない?
……違います(笑)
この技術を利用して考案されたのが、G-PONです。
【ジーポン:Gigabit Passive Optical Network】
頭の「G」はギガビットを意味します。つまり1Gbpsの通信速度を実現するPON方式です。
G-PONはITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)において標準化された、国際規格であり、アメリカを中心に普及している技術です。
ただし、技術的にはかなり複雑なため、導入・実用化までにハードルが高かったのも事実。もっとシンプルで低コストなシステムが求められていました。
そこへ登場したのが「GE-PON」という技術です。これも基本的にはPON技術をベースにG-PONと同じ仕組みですが、データ伝送技術にEthernetの技術を応用した、よりシンプルな構造になっており、コスト的にもメリットが多くこちらを採用したのが、フレッツ光やauひかりです。
構造がシンプルなだけ、速度も低くなりました……。
G-PONなら最大通信速度は2.48Gbpsですが、GE-PONが1.25Gbps。半分に減ってしまいました。
でも光回線の商用化を目前に控えた当時は、まだADSL全盛の時代。25Mだ50Mだと盛り上がっていた時期だったことを考えると、2Gという速度は家庭用のレベルを超越した超速度だったのです。
それなら1Gで充分じゃないか。そう考えるのも無理はないですね……。
一般的な光回線はGE-PON技術を採用している
そこで登場したのが「GE-PON」という技術。
GE-PON【ジーイーポン:Gigabit Ethernet-Passive Optical Network】
PON技術にギガビット・イーサネット技術を取り込んだものがGE-PONです。
フレッツ光や光コラボは、この技術を使っています。auひかりも同様です。
でもこの光ファイバーの根元の速さは、上でも触れましたが、1.25Gbps。
それを32軒の家庭で分けると、大体一回線当たり約30Mbps。
ぐれ太
たった30M? 昔、オレの実家で使ってたADSLと変わらないぞ!
ちび太
うーん、確かに遅いね。でもしょうがなかったみたいだよ
光回線サービスが始まったのが2000年初頭。NTTで「Bフレッツ」がサービス開始されたのが2002年でした。当時はまだ光回線の加入者も少なく、実際に全契約家庭で同時につなぐこともめったになかったし、今ほど大容量のデータを送る機会もなかったので問題にはならなかったのです。
あれから15年がたち、もはや誰もが大容量の動画やゲームを楽しむ時代。
1Gなんて、正直言って時代遅れなのです。
今、再びG-PONが脚光を浴びつつある
実は、G-PONはGE-PONより前に開発された技術なのです。
確かにGE-PONより複雑で高コストなシステムかもしれませんが、大容量コンテンツが当たり前の時代に、絶対不可欠なのがG-PONであり、その技術を利用したNURO光こそが、今後さらに求められていくのです。
NURO光が注目を浴びるのも、当然のことなんですね。