NURO光は史上最速の2ギガの速さを売りにしたネット光回線です。でもさらに高速の10ギガと6ギガタイプもあります。
それが『NURO光10Gs』『NURO光6Gs』です。そんなすさまじい速さが必要なのかはさておき、どれくらい速いのか試してみたいものですよね。
さて、光回線ネットについて詳しい方は、「いやいやauひかりにだって10ギガのサービスはあるよ」とおっしゃる方がいるでしょう。
確かに、auひかりは戸建向けに10G、5Gタイプのサービスを開始しています。
auひかりホームX・Vが開始するまではNURO光が圧倒的優位に立っていました。世界最高速のポジションを奪われそうな気配です。
では実際、NURO光の10G、6Gがどのくらいスゴイのか、見ていきましょう。
ぐれ太
オレの仕事の速さはいつだって10Gレベルだぜ!
ちび太
緊急時の慌てっぷりも10Gレベルだけどね(笑)
目次
『NURO光10Gs』『NURO光6Gs』の料金・提供エリア・課題
まず『NURO光10Gs』『NURO光6Gs』の共通項から。
通常のNURO光と比べて何が違うんでしょう?
サービス提供可能な建物は、戸建および5階建以下の建物
提供エリア | 東京、神奈川、埼玉、千葉の一部 |
---|---|
対象住居 | 戸建て、5階建て以下のマンション |
最大速度 | 下り概ね10Gbps/6Gbps(B/E) |
上り概ね10Gbps/6Gbps(B/E) | |
無線LAN | 802.11 a/b/g/n/ac |
無線最大速度 | 1.7Gbps |
セキュリティサービス | 標準装備(無料) |
電話 | なし |
メール | なし |
最大速度はベストエフォート(理論値)です。おおむね10G/6Gとあるので、「ザックリ言って」くらいのアバウトな感じですね。
1Gの通常光回線と比べれば遥かに高速なので、体感的には「スゴく速い!」と感じる程度でしょう。
また、無線LAN自体は1.7Gbpsが最大速度です。
つまり、無線LANを使ってパソコン、スマホなどと接続すると、せっかくの10Gのスペックを活かしきることができないのです。
対象住居が戸建住宅と5階建て以下のマンション。2Gタイプは8階建て以上にも順次対応を始めていますので、提供可能な建物の条件が厳しくなっています。それだけ要求される設備の技術的水準が高いということでしょう。
NURO光10Gsの月額料金は5,743円(4ヶ月目以降)
NURO光10Gsの月額料金は、2019年3月現在、5,743円です。開通月は無料。
開通翌月〜翌々月(2ヶ月目〜3ヶ月目)はワンコイン(500円)で使えるキャンペーンを行っています。また開通月に支払う事務手数料3,000円も無料になります。
工事費は60,000円を60回で分割。3年間の継続契約タイプで契約するなら毎月1,000円を相殺してくれるので実質無料です。ただし更新月以外での解約は解約金(契約解除料)として20,000円が発生します。
更新月は開通月を1ヶ月目として37ヶ月目を指します。また、NURO光には移転(引っ越し手続き)はありませんので、たとえ引っ越しするとしてもいったん解約の扱いになります。つまり更新月以外で引っ越しになって解約する際に、この20,000円が発生します。
当然ですが、工事費の残債が残っていれば、それも一括支払いの対象です。
また回線撤去を希望する場合、回線撤去費用10,000円(税抜)が発生します。
戸建ての持ち家にお住まいでしたらあまり関係ないかもしれないですが、賃貸の戸建てにお住まいで10Gや6Gを契約してしまうと、引っ越しの際に思わぬ出費になるかもしれません。
3年間継続契約タイプ | 継続契約なしタイプ | |
月額基本料金 | 5,743円(初月無料) | 5,743円 |
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
工事費 | 60,000円(60ヶ月分割) | 60,000円(一括のみ) |
工事費相当分割引 | 1,000円/月×60ヶ月 | – |
契約解除料 | 20,000円 | – |
3年継続契約タイプは、3年ごとに契約を更新するタイプです。逆に継続契約なしタイプは更新月の考え方をしない契約方法です。
3年ごとの継続契約だと、更新月以外で解約すると解除料の20,000円が発生します。継続契約なしタイプは解約する際に解除料がかからない代わりに、工事費の割引がなくなりますので実費で払わないといけません。
近い将来に引っ越しの予定があるなら、最初からそれを見越して継続契約なしタイプを選ぶのもいいでしょう。長期間使うなら、3年継続契約を選ぶべきです。
初月(開通した月)は無料、2〜3ヶ月目はワンコイン500円ですから、4ヶ月目以降は上記の料金です。
ワンコイン特典の適用期間中に解約をした場合、契約解除料金および工事費の残債金が発生する。
・個人の方のみのご利用となる。
・料金のお支払い方法はクレジットカードのみ。
NURO光6Gsの月額料金は5,243円(4ヶ月目以降)
NURO光6Gsの月額料金は、2019年3月現在、5,243円です。他の条件は10Gと同じ。
10Gより月額で500円安いだけであり、10Gを利用できるならあえて6Gを使う理由はあまりなさそうです。
6Gという速度を見ると、auひかりホームX・Vに対抗しているのは明らかですね。
向こうが10Gと5Gで来るならこっちは10G・6Gだ!という強烈な対抗意識が見て取れます。それだけ速度に対して妥協しないぞ、という強い意思とサービスに対する自信が透けて見えますね。
この調子でどんどんサービスが向上してくれれば、ユーザーの私たちにとっては将来が楽しみです。
3年間継続契約タイプ | 継続契約なしタイプ | |
月額基本料金 | 5,243円(初月無料) | 5,243円 |
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
工事費 | 60,000円(60ヶ月分割) | 60,000円(一括のみ) |
工事費相当分割引 | 1,000円/月×60ヶ月 | – |
契約解除料 | 20,000円 | – |
10Gsプランより月額料金が月500円安くなっています。少しでも固定費を抑えたい方、超高速が楽しみたいけど10Gじゃなくてもいいや、という方は、6Gsプランで行くのもいいでしょう。
NURO光10G/6Gの提供エリアは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の一部エリア
提供エリアはauひかりホームX・Vと同様、一都三県の一部のみでしか利用できません。
そして、さらに重要なのが……
NURO光10Gs・NURO光6Gsの開通は2019年3月末以降
ということです。一都三県はもうすぐですね。
さらにいいお知らせがあります。
東海・関西エリアでの申し込み受付開始予定は2019年4月以降→3/28受付開始!
首都圏のみでなくいよいよ東海・関西エリアにもサービス拡大です。待ち望んでいた方にとっては吉報ですね。
と、思ったら!
早速受付が始まったようです。
大阪府、兵庫県、奈良県の一部で受付開始。さらに、5月以降に愛知県・三重県・静岡県・岐阜県の東海エリアでの申込受付も開始される予定とのこと。
楽しみですね!
課題:10Gを活かせるサービスが普及していない
インターネットは車でドライブするようなもので、途中の道が渋滞していればその影響を受けて到着時間が遅れると別の機会に説明しましたが、当然10Gは最高に条件がよかった時の理論値です。
通常の光回線サービスだと、回線の品質や近隣のユーザーの利用状況、集合住宅なら建物の配線、宅内に設置するルーターの機種などが速度を左右します。
ところが、NURO光10Gはあまりにも速いため、通常なら想定していない部分がボトルネックになるのです。
高速度を十分に活かしたいなら、有線のLANケーブルでPCと接続する必要があります。
さらにLANケーブル自体が10Gに対応していない場合、そこでスピードが落ちます。
またPCが10Gbpsに対応した設備を整えていないと、これもスピードダウンにつながります。デスクトップPCなら10Gbps対応のLANボードを増設する。ノートパソコンだとほとんどの機種が対応していません。
野球にたとえると、豪速球を投げる天才ピッチャーがいても、その球を受けるキャッチャーがいないと試合にならないのです。
10Gに完全対応するにはそれなりの環境を整える必要があるということ。
そもそも10Gのスペックを十二分に活かせるサービスや機器が現状ほぼないため、単純に10倍速いと感じる機会がないのではないでしょうか。
近い将来、1G超のネット回線がサービス拡大して、10Gの回線を活用したサービスが増えてきてから導入しても遅くはないと思います。
従来のNURO光10Gプランも継続して選択可能
ん?ちょっとまって、と気付いた方もいることでしょう。
詳しい方なら、NURO光には以前から10Gプランがあったことをご存知かと思います。
実は、従来の10Gプランのサービスも継続して利用可能ですし、申し込みもできます。
今一度、従来の10Gサービスを振り返ってみましょう。
「NURO光10G」の概要・料金、新サービスとの比較
提供エリア | 東京、神奈川、静岡、大阪、兵庫、奈良の一部 |
---|---|
対象住居 | 戸建て、5階建て以下のマンション |
最大速度 | 下り概ね10Gbps(B/E) |
上り概ね2.5Gbps(B/E) | |
無線LAN | 802.11 a/b/g/n/ac |
無線最大速度 | 1.3Gbps |
セキュリティサービス | 標準装備(無料) |
電話 | NURO 光 でんわ (月額基本料金 関東:500円 東海・関西:300円) |
メール | なし |
従来の10Gプランと新プラン10Gs/6Gsとの違いを色分けしています。色のついたところが新プランで変更された箇所です。
まず、提供エリアが違います。
10Gs/6Gsの新サービスでは一都三県でしたが、従来の10Gサービスは静岡・大阪・兵庫・奈良の一部で申し込み可能です。
つまり新サービスになってエリアが狭くなってしまったということです。おそらく従来の10Gサービスは、既存のNURO光専用の機器でカバーできる技術仕様になっており(それでも一部しか利用できないことから人口密集地域のみカバーできているのでしょう)、新サービスは全く新しい機器を設置していく必要が生じたのではと思います。
それを裏付けるかのように、新サービスではさらに進化を遂げた光インターネット伝送技術「XGS-PON」を採用しています。
本来2Gの通常NURO光では「G-PON」というNTTフレッツ光などで利用されている「GE-PON」より高性能の技術を利用していました。
そこへNURO光10Gサービスでは上位版の「XG-PON」を採用し、さらに次世代の技術「XGS-PON」が登場したのです。
旧型(と言ってもフレッツ光や光コラボより先進的ですが)の「XG-PON」でようやく10Gが実現しましたが、それでも上り最大速度は2.5Gですので、上り下りが非対称になっています。
無線LANの最大速度が1.3Gbpsのままなので、これはちょっとデメリットですね。ただ、そもそも10Gを使いたいなら、無線LANは補助的な位置づけで考えればよいと思います。
PCやゲーム機、テレビの4K/8K放送で10Gのフルスペックを堪能し、補助としてスマホなどをWi-Fi接続する。スマホの通信なら、1.3Gbpsでも十分な速度です。
料金表です。
2年間継続契約タイプ | 継続契約なしタイプ | |
月額基本料金 | 6,480円※ | 6,480円 |
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
工事費 | 40,000円(30ヶ月分割) | 40,000円(30ヶ月分割) |
工事費相当分割引 | 1,334円/月x30ヶ月 | – |
契約解除料 | 9,500円 | – |
従来プランは継続契約タイプが2年更新です。また工事費は2Gプランと同じ。契約解除料も2Gに準拠しています。
(※)なお、2年更新を選ぶと、開通月は無料、2〜12ヶ月目は3,980円の月額料金割引が適用されます。
開通月 (1ヶ月目) | 開通2ヶ月目~ 12ヶ月目 | 開通13ヶ月目~ 31ヶ月目 | |
月額基本料金 | 6,480円 | 6,480円 | 6,480円 |
基本工事費割賦 | – | 1,334円 | 1,334円 |
工事費相当分割引 | – | -1,334円 | -1,334円 |
特典割引 | -6,480円 | -2,500円 | – |
割引後の金額 | 0円 | 3,980円 | 6,480円 |
新10Gs/6Gsプランはセット割が利用できないデメリットあり
ひかり電話は、新サービス(10Gs/6Gs)にはありません。
NUROひかり電話が使えないということは、イコール「おうち割光セット」を使えない、ソフトバンクスマホとのセット割が使えないということです。
携帯・スマホとのセット割を狙っている方にとっては困りものですね。でも従来の10Gサービスならひかり電話がありますので、セット割が可能です。
ただし!よく考えてみると、新10Gsプランは月額5,743円。従来10Gは6,480円。
関東ならひかり電話が500円、東海・関西なら300円。
セット割を適用するためには、従来プランを選択してひかり電話を追加契約する必要があります。
関東は6,980円、東海・関西は6,780円。
それぞれから新プランの料金を差し引くと、従来プラン+ひかり電話を選んだためにかかるコストが計算できます。
関東 6,980円-5,743円=1,237円
東海・関西 6,780円-5,743円=1,037円
これだけ余計に料金をかけないと、セット割が利用できないのです。
NURO光10Gにひかり電話分を上乗せした金額と、セット割で割り引かれる携帯料金とを相殺してどちらがおトクになるかは、あなたのソフトバンク携帯の契約内容によります。
この1,237円/1,037円を、毎月余計に払っても携帯の割引分が多ければ、従来10Gプランの加入にメリットが生まれます。
あなたのソフトバンク携帯の契約はどうですか?
NURO光10G&10Gs/6Gs・新旧サービスの比較をすると
最後に、新旧プランを単純比較してみます。
10G(従来) | 10Gs(新) | 6Gs | |
月額基本料金 | 6,480円 | 5,743円 | 5,243円 |
提供エリア | 東京、神奈川、静岡、 大阪、兵庫、奈良の一部 | 東京、神奈川、埼玉、千葉の一部 | |
対象住居 | 戸建て、5階建て以下のマンション | ||
上り最大速度 | 10G(B/E) | 10G(B/E) | 6G(B/E) |
下り最大速度 | 2.5G(B/E) | 10G(B/E) | 6G(B/E) |
無線LAN最大速度 | 1.3Gbps | 1.7Gbps | |
ひかり電話 | あり | なし | |
携帯とのセット割 | 可能 | 不可 | |
継続契約期間 | 2年 | 3年 | |
開通月料金※ | 0円 | ||
2〜3ヶ月目 | 3,980円 | 500円 | 500円 |
4〜12ヶ月目 | 3,980円 | 5,743円 | 5,243円 |
13ヶ月目以降 | 6,480円 | 5,743円 | 5,243円 |
※継続契約タイプの場合。工事費無料キャンペーン、ワンコインキャンペーン適用後の料金。
比較してみれば、各サービスの違いが分かりますね。
いち早く10Gを楽しみたいけど東海・関西地方在住であれば従来の10Gを選べばいいし、東京、神奈川、埼玉、千葉にお住まいなら新10/6Gsを選択すれば料金も安くなる。
結論:NURO光10Gsより通常のNURO光の方がコスパは高い
どうしても10Gを体感してみたい!という方もいるでしょう。
自宅で4KのTVを堪能したい方、オンラインゲームを存分に楽しみたい方。スピードは速ければ速いほどいい!という方は絶対試すべきです。
しかし、そこまで速いネットを用意しても、肝心のパソコンやゲーム機などが対応していなかったり、宅内に有線LANケーブルを引くのはいやだ、またはできないという方は、そもそも10G/6Gプランでなくてもいいかもしれません。
2Gでも十分に速いですから、1Gから乗り換えても体感できるほどの速さを感じることができるはず。
PCやスマホなどで普通にネットを楽しみたい、動画が普通に快適に見られれば満足だよという方には、通常のNURO光(2G)が最もコスパに優れています。
というわけで、普通にネットを楽しみたい方は、2GのNURO光で決まりですね。