昨今の1G超光回線サービスの勢いは首都圏ばかりでなく日本全国に広がりつつあります。
当初は関東限定だったNURO光も、ようやく東海・関西・九州・そして北海道地区へ順調にエリアを拡大してきています。
そうなれば、光回線の王様といえるNTTのフレッツ光が対応しないわけがありません。遅かれ早かれ対抗手段を取ってくるだろうことは誰にも予想がつくことでした。
問題は、それがいつ始まるかということ。
日本の光ファイバー網はNTTが実権を握っています。大げさでなく、NTTが許可すれば新しいサービスを他社も始められるけど、NTTが拒否すればどんな技術も新サービスも実現できないほどです。それほどNTTは絶対的な支配力を握っているのです。
NTTが本気を出して10Gのサービスを始めれば、他社はひとたまりもありません。一気に莫大なユーザー数をNTTに持っていかれることは確実です。
それが、いよいよ始まろうとしています。
記事にはこんなことが書かれています。
NTT東日本は光回線サービス「フレッツ光」において、最大通信速度が10ギガビット/秒のメニューを追加する。
この記事によると、NTTもようやく重い腰を上げて10Gへの本格投入を開始するとのこと。
しかし本格稼働は、おそらく絶望的に遅いと予想します。少なくとも全国規模で導入が進むのにあと3年はかかるでしょう。
なぜか。その理由をご説明します。
ぐれ太
ついこの間まで5G5Gって騒いでたのに、もう10Gかよ!
ちび太
Gの意味が違うって(笑)
目次
理由1:そもそもNTT東の姿勢が弱気である
今回NTT東が発表したフレッツ光の10Gサービスは、提供エリアが東京23区内に限定されています。そして提供時期は2020年4月。もうすぐですね。
タイプやプランに関しての言及がないため詳細は不明ですが、戸建て限定とも記載がないため、戸建及びマンションタイプの両面からサービスを開始するのでしょう。
auひかりの10Gサービスが戸建限定になっていることから見ても、戸建・マンションタイプを同時に提供するのは、相当強気な姿勢に見えます。ついに、NTTも本気で10Gサービス提供に乗り出すということなのでしょうか。
ただ、記事中には、「携帯大手からのニーズや法人ユーザーを含めた需要を見込んでいる」という記述がある通り、かなり恐る恐る開始するような姿勢が見え隠れしています。
つまり、本気で10G市場に殴り込みをかけるというよりは、周りがやれって言うから仕方なくやるよ、という弱気な態度がミエミエですね(笑)。
ぐれ太
このオッサンの顔を見ろよ、弱気そのものだぜ(笑)
ちび太
(シーッ!)君が他人の顔をディスれるその圧倒的自信の根拠を知りたいよ(笑)
集合住宅用の機器を整備するのは、膨大な時間とコストがかかります。今までNTTがフレッツ光を導入するまでにかかった膨大な時間を、また費やす必要があるのです。
それを考慮に入れればこそ、あまり強気で攻勢をかける気になれないのでしょうね。
もちろん、提供エリアが拡大しさえすれば、NTT東西の無敵モードに突入します。
そうなれば、NURO光にとって現在の「フレッツ光・光コラボ連合」と同じくらいの脅威となりうるでしょう。
理由2:提供エリアを拡大するのに時間がかかる
上の話のつづきになりますが、今まで1Gの光サービスだったユーザーに、10Gの新サービスを提供するには、環境を整える必要があります。超高速で上り/下りの通信速度を上げるための設備を整えることです。
具体的には、各家庭までの光ファイバー回線を太くします。これはダークファイバーを利用すればいいので大きな問題ではありません。 一部細い箇所は光ファイバーを新設すればいいのですから。
問題は、NTTの局舎側です。10G対応機器(G−PON)を設置しなければなりません。
戸建てに関しては宅内まで直接光ファイバーを引き込んで専用機器を居間に設置すれば完了です。
さらに、全国の集合住宅に専用機器を設置するのには、とてつもなく時間がかかります。
NURO光が2013年にサービスを開始してから早7年。いまだに大都市圏周辺しか提供エリアが広がっていない事実を見ても、全てのマンション・アパートに機器を設置することがどれだけ大変かが分かります。
NTT帝国が本気を出せば、So-netよりずっと早く提供エリアを拡大するでしょうが、それでも数年は時間を要するのは確実です。
2001年に始まったフレッツ光(Bフレッツ)が、日本全国津々浦々まで拡大するのにどれだけ時間を要したか。
それを考えるだけでも気が遠くなりそうです。もちろん順次拡大させるでしょう。ただ、すぐに誰でも使えるわけではないのです。
理由3:導入が本格化するまでに他社が先行利益を獲得する
ネットサービスは基本的にサブスクリプション・モデルです。簡単に言うと、月額課金のサービスだということです。毎月毎月利用料金を支払います。
一度申し込んでしまえばあとは月々口座やカードから引き落とされるため、ユーザーにとっても便利ですし、企業側からすると非常にありがたいシステムなんです。
いったん契約が成立すると、黙っていても料金が引き落とされます。そしてユーザーというものは、面倒なことが大嫌いです。
そう、あなたのことですよ。
ぐれ太
オレはそんなヘマはしないぜ!
ちび太
スマホ買ってオプションをすぐ解約せずに2年間払い続けたのは誰かなー?(笑)
いったん引き落としの状態になると、わざわざ変更しようとは思わなくなります。口座を変更するのでさえ、面倒になるんです。
一度契約を結ぶと、人はよっぽど損害だと感じない限り、続けようと思ってしまうのです。
ネット契約は一度結んでしまうとずっと続けてしまうのも、面倒なことが嫌いだから。
これは、先に契約してもらった企業が有利になります。
たとえばNURO光と契約してしまうと、そのまま続けよう、あえて変えようとはなかなか思わなくなります。
「確かにフレッツ光も速くなった。でも、今も十分速いよ」
フレッツ光10Gがスタートした時にNURO光を使っていたら、おそらくほとんどの人はそう考えるでしょう。
「もうオリンピックも終わったし、今は特に見たいスポーツもないや。テレビを見るかYouTubeでも見るだけだし、今のままで間に合ってるよ」
そう考えて、あえてフレッツ10Gには行きづらい。
(光コラボ系10G、au光10Gがエリアが拡大すれば、流れは変化するかもしれませんが)
要するに、先に契約してもらった企業が非常に有利だということ。
これも、フレッツ光10Gが苦戦する理由です。
現在サービス展開中の各社の状況はこちらを参考にして下さい。
ただし、2030年にもなればすっかり10Gが当たり前、5Gを超えて6Gのワイヤレス通信が主流になるかもしれませんので、また状況は変わる可能性は大きいですね。
まとめ:フレッツ光10Gが普及するのは早くて3年後
NURO光がスタートしてから、テレビCMがバンバン流れてきたのもだいたい2016年頃、つまり3年後くらいだったと思います。
様々な状況から、フレッツ光10Gが普及するのに3年はかかると見ています。
3年もたてば、各社が揃い踏みで環境を整備して、複数の10G光サービスが選べるようになっているでしょう。そうなってから、あらためて各社のサービス内容をきっちり見極めて、最もおトクなサービスに申し込んでも十分間に合います。
モバイル5Gや固定光サービスの10Gプランは、私達にどんな未来を見せてくれるんでしょうか。
とても楽しみですね。
ぐれ太
オレの2020年の目標は、魅力的な10G男になることだ!
ちび太
目標は破るものだって、昔言ってなかったっけ?(笑)
ぐれ太
去年のことは忘れたぜよ!
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