ふとニュースでこんな記事を見つけました。
この記事を簡単に紹介すると以下のような内容です。
・光回線サービスが遅くなっていてモバイルの方がマシなくらい
・NTT東西のフレッツ光を使った一部サービスに起こっている
・NTTの基幹網NGNとプロバイダを接続する機器が恒常的な混雑状態
・あと2、3年ももたないのではないか
・従量制に切り替えるしかないのではとの声も
一体どういうことなのでしょうか。
ぐれ太
みんな喜べ!ついにぐれちゃんファンクラブがサービス開始だぞ
ちび太
いやな予感しかしないよ!(笑)
目次
NTTの網終端装置はすでに限界に近づいている
NTT東西のフレッツ光は、基幹網【NGN】を通じてネットワークに接続しています。
NTTとネット空間の間に立って接続を担っているのがプロバイダです。NTTはプロバイダを介してネットと接続しているのですね。
NTTとプロバイダをつなぐ機器を「網終端装置」と呼びます。
この網終端装置が現在、大混雑しているのです。
今はYouTubeやその他動画サービスが花盛り。パソコンでもスマホでも、自宅でも外出先でもみんな動画を見ています。
動画は大容量のデータを送るものですから、当然ネットワークが混雑します。
ここ数年でネット上のデータ送信量が激増しました。道路が渋滞すれば何らかの対策を講じる必要があります。道幅を広げるとか、迂回路を作るとか、交通規制をするとか。
ネットを維持する企業として、NTTとプロバイダがあります。プロバイダは接続業者といいますが、ネットをつなぐ役割を持っています。
プロバイダは、ユーザーからネットがつながらない、遅いとたくさんの苦情をもらっており、何とかしたいと考えています。
NTTも当然ながら対策は考えています。
NTTは、ある基準以下にまで速度が遅くなったら設備を増強しましょう、と決めています。
最も低い基準だと「100kbps」まで低下したら仕方ないので増設します、というもの。
ネットは、全員が同時につなぐことはほぼないため、ここまで低下することは本来なかったはずですが、この動画全盛の時代では、その限りではないようです。
NTTがNGNを通じてプロバイダと接続する方法は主に2種類あります。
- PPPoE方式(IPv4/IPv6、トンネル方式)
- IPoE方式(IPv6、ネイティブ方式)
元々NTTは、PPPoE方式で接続していました。その後IPoE方式が登場しましたが、2つの方式はそれぞれ費用の負担割合が異なります。
- PPPoE方式 → NTTが約9割、プロバイダが約1割
- IPoE方式 → NTTが約6割、プロバイダが約4割
上で出てきた基準の「100kbps」以下というのは、PPPoE方式の場合です。
設備を増強する必要があった場合、NTTが約9割も負担するため、できればやりたくないのです。
でもプロバイダ側としては、ユーザーから苦情がバンバン来ていますので、早く増強してほしい。
NTTは、IPoE方式ならもっとゆるい条件で増強できますよ、と言っています。ただしプロバイダがコストを4割負担してくれるなら、との条件つきで。
また全額負担してくれるなら、今すぐやってもいいですよ、という条件も用意してくれています。500kbpsまで低下したら増強オーケー。これならひどい遅さに悩まされるユーザーも減ります。
しかし、プロバイダにはそんな費用、負担できるわけがありません。
ただでさえ徴収料金が安いプロバイダ。一人のユーザーからもらえるのは、月に数百円~千円程度。ここからどうやって重い設備増強の費用を払えるのか。
到底呑める条件ではありません。
プロバイダはNTTに、条件を緩和してくれ、または増設の基準をトラフィック(混雑度合い)に変えてくれ、と要求しています。
でもNTTにとっても、プロバイダの求めに応じてどんどん設備を増強していたら、費用負担が重すぎてやはり耐えられない。
つまり設備増強のコストを誰が負担するか、が問題なのですね。
NTTもプロバイダも、負担が重すぎて無理だと。
ではどうするか。
結局、設備増強のコストを払うのはユーザー
という結論が見えてきます。
動画を見たいのはユーザーです。でもそのニーズに応えようと増強したいけど、費用がかかりすぎる。
かと言って料金を値上げできるかと言えば、できないでしょう。
費用負担を月額料金に上乗せすれば、ユーザーはどんどん離れていってしまいます。
じゃあどうすれば?
そこで出てくるのが、「従量制」という考え方です。
ユーザーは従量制という先祖返りを許容せざるを得ないのか
ここ十数年、ネットサービスはどんどんユーザーが増えてきたおかげで、先行投資をしても費用を回収できました。
先に設備を整えておけば、利用者が増えるので、さらに設備を増強する。するとさらにユーザーが増えていく。
そうやってどんどんネットは便利になってきました。
ただし、その傾向も頭打ちに近づいているようで、またモバイル回線にユーザーを奪われているのもあり、なかなか設備にお金をかけにくい状況です。
ところがトラフィック(交通量)は爆発的に増加しています。動画を見る人が増えているからですね。
恐ろしいほど急激に増えていますね。
2016~2017年の一年間だけで40%近く上昇しています。もはや耐えられないほどになっているのです。
それなのに、誰もがYouTubeをつけっぱなし・流しっぱなしにしたり、マイクロソフト社はWindowsの更新を頻繁に行うため、いっせいにダウンロードが始まるとネットは大混雑に陥ります。
そうなると、昔のアイデアがチラついてきます。
従量制という「料金制度」です。
従量制とは、使った分だけ支払うという、モバイル回線にある料金体系ですね。光回線サービスでもライトプランがありますので、使っている方もいるのでは。
たくさん動画を見る人のせいでネットが混雑しているなら、その人たちに費用を払ってもらおう。
これ自体は、自然な考え方です。
しかも2021年予定のオリンピックを前に、テレビをネットで見る方も増えています。
さすがにテレビを見た分だけ料金を払え、とはならないでしょうが、従量制が復活すれば、私たちの生活にも影響しそうです。
少なくとも、無制限に動画を見ることができなくなります。
従量制そのものは、ユーザーに無制限にネットを使うのを思いとどまらせる効果はあるかもしれません。でも設備増強にはつながりにくいでしょう。
ネットを使いにくいから混雑が解消されるというなら、問題は何一つ解決していないからです。
そんなことになったら、たとえ5Gが普及してもほとんど活用できないのではないでしょうか。
さて、NTTとプロバイダ、そして総務省はどのような答えを出すのでしょうか。
われわれユーザーにしてみるとちょっと不便ですが、ひょっとしたら、そんなサービスが生まれるかもしれない、というお話でした。
ぐれ太
ファンクラブに入ってやるからメシおごれとか、そんな要求ばっかり来るけどなぜだ〜(泣)
ちび太
ファンサービスしなきゃ。あ、僕は餃子定食大盛りで頼むね!(笑)