現在、光回線サービスを利用している方、自宅のネット回線をNTTや光コラボ、auひかり、電力系ネット等を契約して使っている方、非常に多いと思います。
ところで、『光〜』『〜光』と名のつくサービスだから、必ず1Gのスピードが保証されていると勘違いしていませんか?
ぐれ太
オレみたいにつぶらな瞳をした男って、マジ愛らしいと思うんだ!
ちび太
勘違いは顔だけにしような(笑)
マンション・アパートにお住まいの方で光を使っているけど、モジュラージャックからモデムへ接続している方。
自宅のネットの速度が1Gの契約だと思っている方、いませんか?
光だから最高で1G近く出るんだろう、と漠然と思っていませんか?
「ベストエフォートなら知ってるよ、単なる理論値だろ」
ですって?
いえ、それを言いたいわけじゃないんです。
『契約自体が1Gだと勘違いしていませんか?』という意味です。
マンションタイプの契約は、接続方式が3種類あります。
1Gを売りにしているネットサービス事業者は、あまりおおっぴらに言いませんが、接続方式によって出せる最大のスピードが異なります。
光コンセントがある家庭なら、1Gに極めて近い速度が出せる環境が整います。
光コンセントがあるのが光配線方式と呼ばれるタイプで、それ以外の2つ、VDSL方式とLAN配線方式の家庭は、そもそも理論値で1Gには遠く及ばないのです。
ベストエフォートの前に、理論上ですら1Gに届かないのです。
フレッツ光などには100Mタイプがあり、元々100Mしか出せない回線であることは実際に公式サイトにも記載されています。とても小さな字で書かれているので見逃す方もいるのでは。
契約時には必ず説明を受けるのでご存知かもしれません。その時、なぜうちは1Gじゃなく100Mなんだろう、と疑問を持った方も少なくないのでは。
設備が古いから?
その通りです。
光コンセントがないから?
それも正解。
では、VDSL方式で100Mしか出ない建物だ、と言われた自宅を1Gにグレードアップさせることはできるのでしょうか。
目次
建物の配線方式の変更は工事が必要
問題は、工事を行うことで1Gへ切り替えができるのか、ですね。
答えは、できる場合とできない場合があります。
ネット回線の工事はその建物自体の特徴を確認した上で、現場に即した方法で行わなければならないからです。
光配線方式の建物は、マンションの部屋の中まで光ファイバー線が入ってくる方式のことです。屋外から入ってきた光ファイバー線が、いったん集合装置に入り、そこから分岐して各部屋まで入ってくるのです。
建物内は通常、専用の配管(CD管/PF管)がありその中を通って張り巡らせます。その配管を通す作業が、調べた結果不可能な建物がかなりあるのです。
ちなみに配管とは樹脂の管であり、じゃばら状になっています。それにより曲がりくねった建物内の配管スペースに走らせているんですね。
CD管 | PF管 |
ところが、曲がりくねった場所などで、光ファイバーを通そうとしても、途中で引っかかってうまく通せないことがあります。また、管自体が腐食して割れていたり穴が空いていたりすると、そこに引っかかります。
ぐいぐいと力任せに押し込んで無理に通そうとすると、既存の配線を破損するリスクがありますので、結果としてできないと判断するわけです。
比較的築年数のたっているマンションなどは、どうしても新たな光ファイバー線を通すことができなかったりします。
光配線方式に変更する工事は、他のやり方でできないのでしょうか。
ビルなどには配線を収容する通線ダクト等が用意されているため、新たに光ファイバー線を入れる隙間はありそうです。
しかし一般的なマンションはそうはいかないようです。一度建ててしまえば、新しい配管を設置することはほぼないからです。
以上、VDSL方式の建物を光配線方式に変更する工事は、不可能ではないのですが、成功率は低いです。
もちろん最初からできないと決めてかかることはありませんので、交渉してみるのもありだと思います。
ちなみに私の自宅はフレッツ光では光配線方式は不可能な建物でしたが、NURO光(forマンション)が導入できました。こんなレアケースもありますよ。
VDSL方式から光配線方式へ切り替える方法
まずは自宅に光コンセントがあるかどうかを確認しましょう。
なかったら、次にモジュラージャックがあるかを確認します。
まれにLAN配線方式の場合もあります。壁にLANコネクタがついていますのでそこで判断して下さい。LAN配線方式の場合もVDSL方式と同様で100Mが最大速度です。
確認した結果、VDSL方式やLAN配線方式だと判明したら?
光コンセントの設置を依頼する
まず部屋に光コンセントがない場合、オーナーを通じて光回線事業者(サービス提供元)に交渉してもらいます。
光コンセントを工事でつけて、速度を1Gにできないかと交渉してください。
ただしオーナーも忙しい方が多いですから、元々使えているのにわざわざネットを高速化するために面倒な手続きを踏まないといけないとなると、腰が重いわけです。
なかなか動いてくれない場合、自分で事業者へ交渉する方が早いかもしれません。
ネット事業者からオーナーや管理会社へ、入居者がネットの高速化を依頼しています、どうですかと交渉してくれる可能性があるからです。
NTT等の事業者側としても、お客様からの要望がありますと伝えれば営業しやすくなりますし、それでネットを使う方が増えれば両者にメリットがあるわけですから。
実際に動いてくれるとしても、工事にこぎつけるまでは数ヶ月かかることを覚悟してください。
別の光サービスに申し込んでも工事業者は同じケースが少なくない
別の光サービスに申し込めばいいんじゃないかというのがあります。
NTTで断られたならauひかりとか電力系光回線に申し込めば、きっと工事してくれるんじゃないか?
残念ですが、それは甘いと言っておきます(笑)。
なぜかというと、光サービスの事業者は異なっても、実際の工事を行う施工業者はその地域では同じ業者が受諾して行っている場合がほとんどだからです。
NTTが行う工事とは、厳密に言うと「NTTが依頼した工事業者が行う工事」という意味ですね。
auひかりを申し込むということは、「auひかりが依頼した工事業者」が工事を行うということ。
ただし、契約形態の違いにより工事できる可能性はあるため、問い合わせることくらいはした方がいいでしょう。ダメ元くらいの感覚で、ですね。
マンションに戸建タイプを導入する方法もあるが、不可な場合もあり
ネット事業者(コールセンター)のオペレータは、お客様から速度を1Gにしてほしいと言われて確認した結果、VDSL方式だった場合。お客様から「どうしても速度を1Gにしてほしい」と相談された場合。
配線方式の工事を行うよりもっと簡単な方法を提案します。
それは、マンションに「戸建タイプ」を導入する方法です。
本来、マンションにはマンション専用の設備があり、それを通じてネット回線の接続を行うことになっています。しかし、イレギュラーな手段として戸建へするのと同じ「専用線」を引き込むことが可能かもしれません。
建物全体に光配線方式を入れることができればベストです。でも課題をクリアできない場合があり、その場合は「一部屋だけ光配線方式を入れる」ことを検討します。
本来、戸建タイプの回線は戸建に限定するのがルール上は正しい。しかしお客様の要望とあれば、やらざるを得ないのが現状というわけなのです。
どの光サービスも、マンションタイプより戸建タイプの方が月額料金が高いです。このイレギュラーな方法だと、マンションに住みながら割高な戸建タイプの料金を払い続けることになります。
ただし、実際に戸建タイプを導入できるか。光配線方式を入れることができるかは、調べてみないと分かりません。不可能な物件も少なくありません。その際は、諦めるしかないですね。
光コンセント工事ができないなら、残った選択肢は引っ越しだけだ
オーナーにも交渉した。ネット会社にも要望を出した。数ヶ月間待った。しかし一向に工事ができる見込みはない。他の光回線サービスで我慢するか?
そうなったら、残る選択肢は一つだけです。
その部屋を立ち去るしか方法はありません。
せっかく気に入って引っ越してきたのに。ネット以外の条件は大満足のいい部屋なのに。と理不尽に思う方、少なくないと思います。
しかし、ネット環境が不十分なら、他の大事な要素と同じで満足したとは言えないのです。
ぐれ太
オレのことが気に入らないなら立ち去ってもいいんだぜ?
ちび太
誰も追いかけてこないけどいいの?(笑)
ぐれ太
そこは友達なんだから気ぃ遣えや!