光回線の工事は、様々な理由でキャンセルされることがあります。
前回解説したように、NTT側の都合もあれば建物の都合もありますし、工事作業そのものが要因の場合もあります。
単純なミスで工事ができないケースもあります。全ての過程において、ミスが発生するリスクは避けられません。
光回線サービスの事業者側(ネットの会社)のミスはこちらの責任ではありませんので、回線業者に任せましょう。
ミスがあったら会社に訴えかければよいのです(裁判をしろという意味ではなく、こちらの要求を伝えるという意味です)。
お客様である私たちに落ち度がないならしっかりと伝えましょう。
ただし、私たちユーザー側が原因のケースも少なからずあり、その場合、いくら文句を言ってもどうにもならない場合があります。
何とか工事を早めてくれないか、と訴えても物理的に不可能な状況になる可能性も。
そこで、私たちが「自爆」しないように、こちらの用意や準備はしっかり行っておきましょう。こちらに落ち度がないのに工事ができなかったら、しっかりと文句を言えますからね。
なお、最初から工事できないことが確実な理由についてはこちらを参照下さい。
ぐれ太
ぐぬぬ……ヒナコが明日のデートをキャンセルするって。納得できぬ!
ちび太
日にちを間違えてない?ちゃんと確認してみなよ!
目次
工事担当者が判断して延期になる場合
まずは、作業員が当日お客様宅を訪問し、現場を確認した結果、工事を行うのは不可能と判断した場合です。
原則的に個人宅の光配線工事は、当日初めて訪れて現場で作業担当者が判断しますので、そこでいきなり工事不可、と判断します。
その場合、作業員から「なぜ工事ができないか」を説明されます。
工事の立会人が不在だった
たまたま当日その時間帯に急用ができてしまって、どうしても家を開けないといけなくなった。代わりの人に家にいてもらおうとしたが、代役が見つからない場合です。
これはしょうがないですね。どうしても立会人がいない場合は工事は延期するしかないです。
立会人が責任能力のない人だった
当初は問題なく工事に立ち会えたはずが、急用でどうしてもその日に在宅できなくなり、代理を家族に任せた場合。
お年寄りや子供に任せるのは危険です。工事担当者が困ってしまいます。
工事の際は、現場の状況を見て様々な判断を下しますので、立会者が判断能力のない方だと支障をきたすこともありえます。
戸建なら、壁に穴を開ける必要が出てくるかもしれません。
その時、立会者のおじいちゃんに許可をもらってよいものか、判断に困るのです。
「家主の俺がいいって言ってるんだよ」と断言していただければいいのですが。
また、小学生しかいない場合も不可能です。
穴を開けていいですか、と尋ねて、
「分かんない」
と言われたら、無理はできませんからね。勝手に施工して、後でクレームになりたくないのです。
こういう場合は無理をせず、工事の延期を申し出ましょう。
作業スペースがない、狭い
お客様宅の敷地内あるいは室内が、作業をするスペースがないほど狭い箇所だったり、家具などを移動させないと作業が困難な場合などです。
作業員はユーザーに、これを移動させることはできるかを尋ね、どうしても移動が無理と判明すれば、別のルートからの引き込みを試みます。しかしそれも不可能な場合、工事はできないと判断します。
よほど巨大な物体や重量物、あるいはあなたが「動かさないで」と注文しなければ、起こることはないでしょう。
お客様宅のそばに工事作業車が停車できない
戸建住宅で、周囲の道路が狭くて作業車が入れない、スライダー(はしご)もかけられない、などの場合です。
作業車が必要なのは、電柱などで作業する場合ですが、通常、電柱がある場所はたいてい車両が停車するスペースがあるもの。
まれに、作業者が通れないような狭い道路だったりするケースです。
別の工事、たとえば水道管敷設工事を行っていたりして、光回線工事を行えないこともあります。
停車スペースがあっても、交通量が多すぎて長時間停車できない、または停車するには警備員を複数名立てて交通整理をしないといけない場所とか。
これも一旦キャンセルになる場合があります。
光ファイバー線を引き込みたいが、樹木などが邪魔をしている
戸建の家にありがちですね。
周囲に樹木が立っていて、どうしても木を伐採しないと引き込めない。しかし伐採には許可が必要。しかも隣家の樹木で、お隣さんの許可が必要な場合です。
在宅していて理解のあるお隣さんからすぐに許可が得られればいいのですが、そううまくいかない場合もあります。また、太い樹木だと簡単に切るわけにもいかず、当日にはできないケースも。
MDF室の鍵がない(マンション)
これはマンションなどの集合住宅で最もよくあるケースです。工事が延期になる理由の第一位と言えるでしょう。
マンションなどでは光回線の設備を収容している「MDF室」という部屋があります。通常はカギがかかってますので、作業の日は管理人さんや管理会社からカギを借りなければなりません。
カギを借りるのはあなたの役目です。しかし、当日いると思っていた管理人さんがお休みの日で、事前に伝えていないともうダメですね。カギが開かないと作業ができません。
管理人さんは、週5できっちりいる人ならともかく、多くの方は週に3日くらいしかいなかったりするんですよね。
管理会社がカギを持っている場合も、管理会社が休みの日がありますので、事前に手に入れておくのがベストです。
工事日を決める際に、ほとんどの方は自分の都合だけを確認して、都合のいい日を選ぶと思います。でもそれだけではワキが甘い。
管理人さんや管理会社のお休みの日は、きちんと調べておきましょう。
ぐれ太
さっきヒナコから連絡が来たよ。明日はドッグラン全国大会があるんだってさ!
ちび太
ちゃんと理由があったんだね。デートは日程を調整してもらえばいいよ!
あなた(ユーザー)が判断して延期させた場合
次は、工事担当が作業を始めようとしたけど、あなたがやってもらっちゃ困る、と止めさせる。そんな場合もあります。
工事の内容が、希望のサービスと違っていた
これは業者の単純なミスです。
たとえばあなたが無線LANのオプションを申し込んだのに、無線LAN非対応の工事を行おうとしたとか。あるいは光電話ありを申し込んだのに光電話の機材を持ってこなかったとか、その逆パターンなど。
要するに、あなたの希望したサービスを提供してくれない場合です。
これは業者のミスですので、しっかり伝えましょう。そして当日中に何とかなるのかを確認して下さい。
おそらくは、当日中の正しい内容での工事は諦めざるを得ないはず。そして後日再工事をしてもらうケースです。
このようなケースがないことを祈りたいですね。
工事内容が満足できないものだった
戸建の方によくあるケースです。
壁にビス留めをしたり穴を開けたりする場合に、施工技術が未熟だったり汚い作業だったりすることも、たまにあります。
作業員のスキルにもよりますので、一概には言えませんが、これは困るなと思ったら遠慮なく伝えましょう。
ただ、施工方法は、どこの業者も同じです。
エアコンのダクトを使ったり穴開けをするのが一般的ですが、それ以外の特殊な方法で入線してくれ、というのはまず無理だと思って下さい。
あなたが屋根から配線を入れてくれと頼んでも、それができないと判断されたら、従うしかありません。
工事費が聞いていた以上にかかると判明した
これも戸建に多いです。主にテレビを導入する際に、複数台のテレビに接続する時は、ブースターや分配器等を設置しますが、追加工事が発生します。
事前に聞いていたより費用がかかる場合があります。
これはある程度は仕方ないものですので、「納得できないならサービスを導入しない」しか選択肢はありません。
ただ、追加工事が発生する場合は、作業員から説明がありますので、きちんと確認しておきましょう。
その他、モール加工(室内配線をカバーで覆う)など、あなたが希望してやってほしいと言う場合は当然費用が発生します。
番外編:作業員が怖い人だった
冗談みたいですが、実は意外とあります(笑)。
工事担当者がちょっとこわもての方で、表情が怖い人とか、たまにいます。これでクレームが来ること、けっこうあるんですね。
まあ援護すると、作業を仕事とする方々ですので、元々接客が苦手な方もいます。黙々と作業をするのが性に合っている人とかもいますので、ちょっとくらいなら許してあげて下さい。
ただし、素行が乱暴だったり、作業の内容が荒かったり、室内でゴミを散らかしたり器物損壊したりは論外ですので、きちんと伝えた方がお互いにいいと思います。
そんな作業員を採用している工事業者も被害者かもしれませんし。
ただあなたが女性の一人暮らしで、ちょっと怖いな、と感じたら、もうどうしようもないですから、相談してみるのもいいかもしれません。
まとめ:業者もあなたも人間だから、間違いはある
ということです。間違いが起こってしまったら、仕方がありません。
原因を突き止めて厳正に対処してもらいましょう。
お金を払うのはあなたですから、希望したサービスが受けられない場合は、初期契約解除制度という手もあります。
お互い、気持ちよく工事を終わらせることができたら、ベストですね。
ぐれ太
えーん、ヒナコにデートの日程を聞いたら、あんた空気読めないの、自分が嫌われてるって自覚しなさいよって言われた〜(泣)
ちび太
あちゃー、やっぱり君がしくじっただけだったか(笑)