NTTのフレッツ光や光コラボ、NURO光のネット回線を申し込むと、まず受付センタ等(コールセンター)から連絡が来ます。
申込内容の確認と、工事日を決める段取りのための連絡です。
その中で、工事日を決める前に連絡が途中で終了してしまうことがあります。
その際に、説明の途中でオペレータが、
「お客様のお住まいは、NTTに住所の登録がありません。これから住所の登録が必要になります」
と言われてしまい、工事日を決める前に説明が終了してしまいます。
当然、工事日はその場で決まりませんので、案内も終了。
「住所登録が完了しましたら、またご連絡いたします」
などと言われます。
要するに、まだ工事日を決めることができないのです。もちろんネットの開通はできません。数日から2週間以上かかると言われることもあるでしょう。
一体、何が起きているのでしょうか?
そして、このままだとどうなってしまうのか。それを説明しましょう。
ぐれ太
オレっちの住所は犬神町1-1-1だ。みんな、覚えとけよ!
ちび太
ワンワンワンか。分かりやすいね!
目次
住所登録とは、NTTのデータベースに登録を行うこと
住所登録が必要だ、と説明を受けた時は、NTTの登録が済むまで待ちましょう。
具体的には、フレッツ光ならNTTが、光コラボならコラボ事業者からNTTへ住所登録の依頼がされます。
その後、NTTの住所登録部門で登録作業が行われ、問題がなければ数日間(コラボ事業者からの依頼は、登録して連絡が来るまでに倍以上かかることもある)で完了します。
住所登録は光ファイバーケーブル工事の際に絶対必要な作業
なぜ住所登録が必要なのでしょうか?
あなたの自宅の住所は、以前フレッツ光を使ったことがない限り、NTTは知りません。自治体なら住所に関する情報があるでしょう。でもNTTは民間企業です。
あなたがNTTの光回線を一度も使用したことがなければ、住所を知らなくて当然なのです。
実は、固定電話の契約があれば、NTTに情報があるにはあるのですが、ネットの光回線の情報としてのデータが存在しないのです。
固定電話の情報は電話配線のみの情報ですので、光回線の情報とは完全に別物です。
初めてNTTの光回線のサービスを利用するなら、住所登録がないと、どこから光ファイバーケーブルを宅内へ引き込めばいいか、判断できないからです。
NTTが保有する、日本国内に張り巡らされた電柱・光ファイバー線の位置と、住宅地図を重ね合わせて作成されたデータベースには、どこから光ファイバーケーブルを分岐させるかが緻密に登録されています。
いくらあなたの自宅の付近に光ファイバーの分岐ポイントがあったとしても、引き込みルートが確保できない場合があります。
自宅のデザインや構造上、最短距離で引き込み線を設置することができない場合など。
工事担当者は現場の状況を見て判断し、ルートを確保します。そして宅内までの配線を行います。引っ張ってくる光ファイバーが長すぎると、別のルートを検討しなければならない場合も起こりえます。
(以下は一例です)
たとえば、上図の黄色い線で囲われた部分があなたの自宅の敷地だとします。
図の茶色い四角が建物。黒い線の四角は光ファイバー線を引き込む部屋です。
仮に敷地の左上隅に自宅があったとします。引き込む部屋も左上の角にあって、オレンジ線の光ファイバー線の幹線から細い青線の引き込み用光ケーブルを最短距離で持ってくることができます。
さて、もし建物の位置がもっと下(南側)の方だったらどうでしょう?
しかも、引き込む部屋が右下の部分だったら? 遠いですね。
これだと、同じ電柱からの引き込みができません。
青い線を延長して持ってくればいいんじゃないかって? 敷地内の状況にもよりますが、あまり無理はできません。
敷地の空中を横切るような配線をすると、何かの拍子に切断事故が発生するかもしれません。
また、建物の左上で線を固定し、引き込む部屋の反対側へ外壁を這うように、ぐるっと半周張り巡らせて宅内へ入れることになるでしょう。
家の壁面に、真横に長々と配線が張り付いていたら?
正直、みっともないですよね。
工事業者は、のちのちトラブルになりそうな工事はできるだけ避けるよう配慮します。
では、どうするか?
最も近い位置の電柱から引き込む予定だったのを変更し、最寄りの別の電柱からの引き込みを検討します。
南の方から、最短距離で自宅内へ引き込むことにしましょうか。これなら、施工方法もシンプルかつキレイに行うことができるでしょう。
以上、最もありがちな事例を挙げてみました。
(実際の地図上の場所と説明内容とは異なります。あくまで一例です)
つまり、住所登録は、ただ住所の番地だけを伝えればいいというわけではないのです。
その土地の、どの部分にあなた(お客様)の自宅があるのか? 北側か、南か、もしくは中央か。NTTは、工事を行う前に、できるだけ正確かつ詳細が知りたいのです。
もし最寄りの幹線からの引き込みが困難だったら、別のルートが検討できるか? それはどこから持ってくるか? 工事を正確に行うために、できるだけ具体的な情報が必要になるのです。
正確な位置とは、正確な住所の番地、その番地が示す敷地、自宅の建っている(新築なら建てる予定の)位置です。
正確な住所登録は、正しく工事を完了させるために必須の作業なのです。
住所登録がうまく行かないと登録はやり直しになる
あなたが提供する情報が正確でないと、登録が完了できず、やり直しになります。
結構よくあるケースで、情報の取り直し(あなたに再度聞き直して登録のやり直しをする)が必要になります。
あなたが伝えた位置情報が不正確だった。例えば緯度経度が少しだけずれていた、数値が間違っていた、など。
住所の番地が違う
単純な間違いです。
同じ番地に建物が複数あって特定できない
住所が「〇〇市◯◯町1-3-5」だった場合、5号の部分に当たる土地がかなり広くて、同じ住所番地に戸建が何件もあったりする場合があります。その際、どれがお客様の家なのか分かりません。
現地に行って、インターホンを鳴らせば分かりますが、同じ名字の家が複数あったら、工事する家を取り違えるアクシデントもあります。
実際にあった例で言うと、
- 該当番地に訪問したら、同じ表札の家が2軒あったので、まず一方のインターホンを鳴らした
- 工事で来ましたと伝えると、在宅者が(そんな話は聞いてないけど)じゃあお願いね、と了承してくれた
- 工事が終わってから、もう一軒の方から連絡があり、まだ工事に来ないんだけど、と言われた
数少ないですが、こんなトラブルも……。
これは、登録時というよりは工事日のトラブルに近いですね。
つまり申し込む際に、トラブルが予想されるような紛らわしい場所にお住まいの方は、その旨を説明しておくとよいでしょう。
上の例なら、同じ名前の表札のどちらが自分の家なのかを伝えておけばよいのです。
更地のどの位置に新築を建てるか不明
これから新築で家を建てるという時に光回線を申し込みたい。でもまだ家がない時。
これも工事をする段階になると非常に困ります。上の地図で説明したような、「どこに配線をするか」が決められない事象だからです。
できる限り自宅が建つ位置を詳細に説明して、光ファイバー線を入れる部屋(居間など)を決めてもらわないと工事ができません。最悪、当日に工事キャンセルになります。
番地表記が違う(地番)
住所には普通に使うもの以外に、地番というものがあります。
地番を伝えてしまい、それが一般的な表記と異なる場合に、NTTが違うと判断することがあります。
NTTの登録情報はお客様からの提供される情報を元に構成されているため、通常地番は使いません。なのであなたが伝えた番地が違えば、データベースと食い違うのは当然です。
(地域にもよる)
他に、番地以下の表記が特殊なケースもあります。
部屋号室がない
これは昔の古いアパートによく見られます。
まだネット回線を申し込む方が少なかった時代にNTTに登録された場合、全ての号室を登録せずに、申し込みがあった部屋のみを登録していました。アパートなのに、一部屋だけしか登録されていないのです。
たとえば、203号室だけしか部屋番号がないとか。
一部屋だけ、しかも中途半端な号室しかない、そんなアパートなんてありえませんよね。
後で別の部屋に申し込みがあれば、その際に、新たに追加する手はずになっていたのです(集合装置を設置せず、各部屋へ個別に専用線を引いていた時代の名残りとも考えられます)。
また、大家さんが割と適当な方で、入居者が入るたびに違うことを言うと、奇妙なことが起こります。
全く同じ部屋の号室を、ある店子には5号室だといい、別の入居者には206号室と伝える。
どういうことでしょうか?
大家さんが20年前に入居した人には、部屋号室に「1、2、3号室」と番号をつけました。
あなたの部屋は3号室ですよ、と伝えました。
でも5年前に入ってきた人には、ちょっと考えが変わって、101、102、201号室と番号をつけました。
どんな番号をつけようと、大家さんの勝手ですからね。
それらがごっちゃになってNTTのデータベースに蓄積されると、表記が混じったままになります。
〇〇アパートの部屋番号が、
・1号室
・2号室
・201号室
・204号室
の4つだけ。ただしお客様に尋ねてみると、そのアパートは全部で8部屋あるそう。残りの4部屋は登録がない状態です。
このような部屋番号で登録されたアパートの記録がけっこうあります。
住民にしてみれば、大家さんに言われた通りの部屋号室をそのままNTTへ伝えただけのこと。
そんな適当な部屋番号で、問題ないの?
部屋を特定できさえすればいいので、特に問題はありません。もちろん部屋番号の登録がなければ、やはり新規で登録が必要になります。
なお、比較的新しいマンションなどはこのような登録はしていません。
(集合装置を設置した)最初の段階で、101号室から順番に全室を事前登録する方式になっています。
他には、枝番がない、枝番相違、番地が飛んでいる(穴が開いたように飛び飛びになっている)、などがあります。
住所登録が完了したら連絡が来て、工事の予定が組める
光コラボ事業者からNTTへ住所登録の依頼を行い、完了したらようやく工事日が決められます。
逆に言うと、住所登録が完了しないと工事の日取りは決められません。
ひたすら待ちましょう。
ただし、いくら待っても連絡が来ない場合は、問い合わせた方がよいでしょう。
何らかのトラブルが発生している可能性があります。
住所登録になってしまったら、完了するまでの目安を教えてくれますので、その期間が経過したら、問い合わせた方が無難かもしれないです。
登録完了の連絡は、メールで連絡が来る場合や直接連絡が来ます。事業者によって異なるようです。
あなたからの正確な情報提供が絶対必須です。
正しい依頼をすればこそ、正しく手続きが進みます。
さて、住所登録が済めば、いよいよ工事日の確定が可能になります。オペレータとやり取りして内容の確認、工事日を決めましょう。
あとは、工事日を待つだけです。
もし、住所登録が完了してもなお、何らかの理由で工事日が決められないとしたら、別の問題が発生しているかもしれません。
その具体例は、こちらを参照ください。
ぐれ太
住所がニャンニャンニャン(2-2-2)のあの子が気になっちゃって……もしかして、恋?
ちび太
フラレ過ぎてついに異種間恋愛に突入か……(笑)