先日、総務省がこんな資料を公開しました。
総務省が、NTT東西が提供している光コラボにおいて、ひかり電話の電話番号が消えてしまう事象を問題視しているようです。
ひかり電話は、光コラボから光コラボへ契約を移す際、いったん「アナログ戻し」という手法を用いないと同じ電話番号を使えず、またNTT発番でないとそもそも同じ番号を使い続けることができません。
後者は無論のこと、前者であっても無駄に費用が発生する点は、利用者に不便を強いているのでは?というわけです。
ぐれ太
ヘイ、そこのお嬢さん、オレと光コラボしない?
ちび太
ただのナンパかよ!
ぐれ太
メリット多いぜぇ!
目次
光電話の電話番号同番移行には「アナログ戻し」が必要だった
フレッツ光から光コラボへ移行する際に、ひかり電話の電話番号を継続して使う条件は以下の通り。
・NTTの加入電話で発番した電話番号であること
・現在フレッツ光でひかり電話を使っていて、光コラボへ切り替える
このパターンはスムーズに同番移行が可能です。
ところが、いったん光コラボに切り替えてしまうと、フレッツ光や別の光コラボへの転用ができません。どうしても切り替えたければ、一度光回線を廃止して、新規で工事し直すことになります。
現在光コラボでひかり電話を使っていたら、新しい電話番号に変更せざるを得なかったり、同じ番号が使えても費用が余計にかかってしまいました。
しかしこれは事業者間の問題であり、各社が連携を取らない(取れない)ためにお客様に面倒な手続きや不要な出費をさせているとも言えます。
問題視されて当然ですね。
ただし、総務省が何とかせいと言うだけでは解決しませんし、単純に救済すればよいというわけでもないようです。
現状、同じ電話番号の継続のために3万円以上の出費が必要
現在、光電話の電話番号同番移行を行うには、以下のような同時2回線を敷設できてかつ、電話をいったんアナログ回線に戻す作業が必要になります。
従来の光コラボを利用している状態。
1.光電話を、アクセス回線からアナログ電話に戻す
(NTT発番のみ可能)
ここで電話番号を維持するために、(ライトプランに移行するとして)加入電話新設工事費が10300円、加入電話新設手続費用が800円発生。
2.新たに契約したアクセス回線を工事する
光回線新設工事費が18000円、光回線新設手続費用が800円発生。
3.元々使っていたアクセス回線を撤去する
ここで光電話工事費が1000円、同番移行工事費が200円発生。
以上で終了です。
アナログ戻しは合計3万円を超える費用が発生します。
2本の光アクセス回線が同時に敷設できない建物だと、この方法は使えない。
いくら大切な電話番号を維持するためとは言え、これだけの出費を利用者にかけさせるのでは、利用者の利便性を損なっていると言われても仕方がありません。
「事業者変更」で電話番号の継続利用を可能に
総務省が提示している「事業者変更」とは、
NTTの光サービス「卸」が利用者の利便性を高めるために、電話番号(と光回線)を継続的に利用できるようにするために、
・NTTを含めた事業者から別の事業者へトラブルなく契約を変更でき、
・光電話の番号を不要な費用の出費をせずに移行できるようにすること
これを実現するにあたって、「事業者変更承諾番号」を導入するようです。
聞いたことがありますね。
転用承諾番号がありました。
フレッツ光から光コラボへそのまま契約を移すときに発行した、あの番号です。転用と同じ方式で、光コラボの契約を移行させるというわけです。
転用とは、フレッツ光から他の光コラボへ契約を移行させること。
事業者変更は、フレッツ光から光コラボへ移行するための方法ですが、再びフレッツ光に戻すのにも利用可能にするそうです。
つまり、
・フレッツ光→光コラボ
・光コラボ→光コラボ
・光コラボ→フレッツ光
の3パターンで利用することが可能なのです。早く実現してほしいですね。
事業者変更制度の利用手順
そこで、このような方法を取ります。
①ユーザーが申し込む
②元の事業者が、NTTに事業者変更承諾番号(有効期限は15日間)の発行を依頼する
③ユーザーが事業者変更承諾番号を取得する
④ユーザーが事業者変更承諾番号を、新事業者(光コラボやNTT)へ伝えて申し込む
(事業者変更承諾番号を知らせて事業者変更の手続きを依頼する)
⑤新事業者が、NTTへ事業者変更承諾番号を伝えて契約を移行する手続きを依頼する
⑥元のサービスは解約され、新サービスが契約成立する
太字の①、③、④が、あなた(ユーザー)がやること。
これで、元々使っていた光電話の番号を変えることなしに、契約を移行できます。
ところで、未納料金がある人が次の契約を結ぼうとした場合はどうなるのでしょうか。
未納料金があるのに移行が可能だと、「借金」を踏み倒すことができます。次から次へと別の契約を結べばやりたい放題ですね。
これを「渡り歩き」と言います。
未納料金や完済していない工事費の支払いがうやむやにならないよう、対策が必要です。
転用(転用承諾番号)の際は、実は未納料金があっても番号の発行が可能でした。これをどうするか。
事業者判断にするか、またはNTTのデータベースで管理して、未納料金の情報も受け渡せば「借金」の情報も移行することが可能になります。
これから具体案を検討するようですね。
事業者変更で起こりうる問題点の解決が望まれる
フレッツ光の光電話には様々なオプションや付加サービスがあります。
「ひかり電話」
「フレッツ・テレビ伝送サービス」
「リモートサポート」
「フレッツ・v6オプション」
「24時間出張修理オプション」
「レンタル端末」
これらの全ての付加サービスを、光コラボ事業者は全部提供しているわけではありません。フレッツ光から光コラボへ転用した際、使えなくなるサービスが出てくる可能性があります。
光コラボ事業者Aから事業者Bに変更した時に、どのサービスが使えなくなるか。現在600を超える事業者が存在しますが、全パターンを把握することは不可能です。
ではどうするのか。
対応策としては、一度NTTを介してデータを伝達すればスムーズに行きそうです。そもそも光コラボは、本来物理的回線はNTTの光ファイバー網を使ったサービスなのですから、当然と言えば当然ですね。
まだまだ問題点はあります。
複雑な事業者変更を、ユーザーにどうやって告知するか。手段が複雑化すればするだけ利用者が理解しにくくなります。
また、「渡り歩き」で次から次へと頻繁に契約を変更すれば、無料期間を悪用して支払いを逃れることが可能なケースも考えられます。
新しいサービスが生まれると乱用者が現れるのは仕方がないのかもしれませんが、防止措置を検討するとなると、さらにややこしい事情も生まれそうです。
結局はいたちごっこなのですが。
以上は総務省が問題視し、NTTや事業者へ早急な対策を求めており、2018年度中にも導入を目指しているようです。
タスク・フォースなどという名称を使うところからも、早期に解決を促しているのは間違いありませんね。
これで利用者である我々がもっと光コラボをおトクに利用できるなら、一刻も早く実現してほしいものです。
ぐれ太
ヒイ〜、女の子から電話番号をゲットしたら保険に入りませんかって毎日営業電話が来るゥ〜!
ちび太
その番号だけは、消した方がいいね(笑)