みなさんは自宅でネットを使う際、どんな機器を使いますか?
パソコン? スマホ? またはゲーム機でしょうか。
デスクトップのパソコンやゲーム機ならいざしらず、スマホは有線でつなぐことはできませんし、ましてやタブレット、ノートPCも無線でネットに接続して使いますよね。
もし光回線サービスを契約するなら、無線LANはなくてはならない機能の一つでしょう。光回線の中には、この無線LAN機能を月額料金を支払って提供しているサービスが少なくありません。
でも、レンタルして毎月料金を払い続けるのは馬鹿らしい気がしませんか。
NURO光なら、追加料金なしで無線LAN機能付きのONUが設置されます。
工事が完了してネットが開通したら、設定してすぐに無線でネットが使えるのです。
これはNURO光の大きなメリットの一つです。
ぐれ太
せっかくだから全部タダにしてくれ!
ちび太
調子に乗ってるとしばくぞ!って大泉洋が言ってたよ(笑)
NURO光の宅内工事の際に設置されるONU(ホームゲートウェイ)は、全部で5種類あります。ところがこの5種類のONUには、機種によって性能差があるのです。
NURO光公式サイトでは、無線LAN接続した場合の注意事項として、
機器使用時の通信速度はお客さまの通信環境と規格により異なります。有線接続の場合は最大1Gbps、無線接続の場合は通信規格 IEEE802.11ac における接続で最大 1.3Gbpsとなります。
とあります。
最大なのはベストエフォートなので問題ないのですが、ではどのONUも最大1.3Gbpsを出せるのかと言うと、そこがちょっと違うようなのです。
さらに、こうあります。
弊社が設置する宅内終端装置の機種により IEEE802.11ac に対応していない場合があります。また、記載の最大通信速度は、技術規格上の最大値であり実使用速度を示すものではありません。
インターネットご利用時の速度は、お客さまのご利用環境(端末機器の仕様等)や回線混雑状況等により低下する場合があります。
機種によっては最大450Mbpsしか出せないということです。
これは、ネットが混雑しているから出せないのではなく、本来の性能が最大450Mbpsに設定された、いわば旧型の機種が出回っているのです。
ところが機種によっては最大1.3Gbps(1300Mbps)のタイプもあるということ。
これはどういうことなのでしょうか?
目次
NURO光のONUは全部で5機種。通信速度に違いがある
最初に説明しておくと、どの機種を取り付けてくれるかは事前に教えてくれません。工事担当者が持参した機種が取り付けられます。
好きな機種を選べるわけではありません。
まずは性能を比較してみましょう。
F660T | HG8045D | HG8045j | F660A | HG8045Q | |
有線ポート数 | 3ポート | 3ポート | 3ポート | 3ポート | 3ポート |
無線LAN 規格 | a/b/g/n | a/b/g/n | a/b/g/n | a/b/g/n/ac | a/b/g/n/ac |
Wi-Fi速度 | 450Mbps | 450Mbps | 450Mbps | 1300Mbps | 1300Mbps |
下り速度 | 2Gbps | 2Gbps | 2Gbps | 2Gbps | 2Gbps |
上り速度 | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps | 1Gbps |
※Wi-Fi速度は最大値。
※下り/上り速度は有線で接続した時の最大値です。
上図にあるとおり、5機種中2つが1300Mbpsという桁違いの高速無線LANが可能な機種になっています。
何が違うのでしょうか?
最大の特徴は、Wi-Fi規格「IEEE802.11ac」に対応しているか否か、です。
宅内工事で取り付けられるONUは全部で以下の5機種。ONUの筐体デザインで3種類に分類できます。
ZXHN F660T / ZXHN F660A
サイズ | 245mm✕190mm✕38mm |
スタンドのサイズ | 不明 |
本体重量 | 不明 |
ZTE Corporation社製。中国のメーカーですね。現地名だと「中興通訊(ちゅうこうつうじん/中国語読み: チョンシントンシュン」と呼ぶようです。
形は、縦置きタイプですね。
ZXHN F660T
マニュアルを確認してみましたが、やはりac規格は採用されていません。旧型機種のようですね。
ZXHN F660A
同型機種の新バージョンが投入されました。こちらはac対応機種です。マニュアルでも確認ができました。acの項目がちゃんとあり、最大1.3Gbpsの記載もあります。
HG8045j
サイズ | 230mm✕180mm✕40mm |
スタンドのサイズ | 35mm✕210mm✕66mm |
本体重量 | 約600g |
Huawei Technologies社製。スマートフォンでも有名な中国のメーカー、ファーウェイです。正式社名は「華為技術有限公司(ファーウェイ・テクノロジーズ)」。
3つのデザインの中では一番コンパクトなサイズです。
マニュアルを見てみましょう。
実はHG8045j のマニュアルには、どこを見ても最大速度に関する記述はありません。
ただし、Wi-Fiの規格に関しては、
ac非対応であることが分かります。
残念ですが、この機種も旧型のようですね。
HG8045D / HG8045Q
サイズ | 235mm✕30mm✕195mm |
スタンドのサイズ | 235mm✕75mm✕10mm |
本体重量 | 約595g |
こちらもファーウェイ製。
この機種はランプが並んでいる広い面が正面なのでしょうか。ONUにしては珍しいデザインですね。
スタンドを付けると斜めに傾いたスタイルで、オシャレな感じです。
ぐれ太
ハイセンスなオレっちにピッタリだな!
ちび太
どの機種になるかは来てのお楽しみだね
HG8045D
こちらの機種も最大速度の記載なし。
ただし上の機種と同様、
やはりac非対応であることが分かりました。
HG8045Q
こちらは、
ちゃんと『ac』の記述があります。新型機種ですね。
とマニュアルを調べると、新型機種は2種類あることが分かりました。
ぐれ太
さっきからac、acって何のことだ?公共広告機構か?
ちび太
わざとらしいボケは自粛しないと、篠原涼子に蹴り飛ばされるよ(笑)
Wi-Fiの最新型の規格「IEEE802.11ac」を採用しているONUは2機種のみ
現在普及しているWi-Fiの規格で最も高速通信が可能なのが、『ac』 です。
この規格を採用しているのは、以下の2機種のみ。
この2機種の無線LANによる通信最大速度が1.3Gbps。他の機種が450Mbpsなのと比べると、単純に比較しても約2.9倍。
データをやり取りする上で重要な要素となる、通信チャンネル帯域幅も倍増し、80MHz以上を利用可能。
道路に例えると、2車線から倍の4車線に拡幅したと考えると分かりやすいかと思います。制限速度が上がったと同時に道路の車線も増えた。高速になって当然の条件が整ったと言えます。
旧型ONUの在庫がなくなれば新型への完全移行も
しかし、なぜ性能差のあるONUを、NURO光は今も出荷し続けているのでしょうか。
詳しいことは分かりかねますが、旧型機種の在庫がまだ残っており、それを順次出荷してからZXHN F660AとHG8045Qへ完全移行するつもりなのでしょう。
現在公式サイト上では、NURO光のONUの無線LAN機能の表記は最大速度1.3Gbpsです。また注釈にある通り、最大がこの速度なので、それより遅くなることは告知済みというわけです。
どの機種が来るかは、運としか言いようがないですね。
あなたの自宅に設置されたONUが新型機種だったら、ラッキーですね。
Wi-Fi接続に関してはこのような事情がありますが、有線で接続すれば下り最大速度1Gbpsが可能ですし、実質1Gを超えるケースはほとんどないでしょうから、ほぼ性能限界に近い数値が期待できるでしょう。
では、せっかく工事が完了してみて確認したら旧型のONUが設置されてしまったら?
諦めるしかないのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
旧型のONUが取り付けられても諦める必要なし!
もちろん諦める必要などありません。宅内工事の作業の際に、担当者に聞いてみましょう。これは旧型機ですかと。
もし、旧型だと分かった場合は、さらに、
「新型の2機種のどちらかに交換可能ですか?」
と尋ねてみましょう。
殆どの場合、在庫がないと言われる場合があります。
ないものはないので、しょうがありませんね。
新型機種がない場合は、いったん工事を完了してもらいます。
後日、NURO光のサポートセンターへ交換希望の連絡をして下さい。ac対応ONUを送付してくれますよ。
少々手間がかかりますが、これは隠れたNURO光独自のサービスです。他の光回線サービスでは考えられないナイスフォローですね。せっかくだから、甘えることにしましょう。
ぐれ太
せっかく工事するんだから、全部新型にすればいいんだよ
ちび太
まあまあ。そうはいかない事情があるんだよ!
間違っても、工事担当者に、『なぜ旧型機しかないんだ!』と詰め寄るのはやめましょうね(笑)。別に悪気があって旧型機を持ってきたわけじゃありませんから。
補足:Wi-Fi通信規格について
Wi-Fiの通信規格は年々進化してどんどん高速化しています。
今はacどころか、『IEEE802.11ad』、『IEEE802.11ax』などという規格も誕生しています。技術の進歩はまだまだ続くようです。
Wi-Fi通信の鍵:周波数帯
Wi-Fi電波は様々な周波数帯を利用していますが、最も普及しているのは2.4GHz帯と5GHz帯です。
Wi-Fiの規格 | 周波数帯 |
ac | 5.15-5.35GHzなど |
n | 2.4-2.5GHz 5.15-5.35GHzなど |
g | 2.4-2.5GHz |
b | 2.4-2.5GHz |
a | 5.15-5.35GHzなど |
道路にたとえると、どこに道を作るかを決めるようなものでしょうか。
山奥に高速道路を作っても使う人が少ないですし、都会の真ん中にあれば便利ですが用地確保が難しいでしょう。
2.4GHz帯は障害物には強いため、壁や扉越しでも電波が突き抜けて届きます。
ただ、便利な電波のせいか、同じ周波数帯を利用する機器が多く、通信障害を引き起こしやすい傾向にあります。
また近くで電子レンジ、コードレス電話機、特定医療機器、Bluetoothを利用したPC周辺機器等の家電が作動すると、干渉を受けて電波が遮られることもあります。
一方、5GHz帯はより高い周波数帯ですので、2.4GHz帯に比べて大量のデータを送受信できます。
ところが障害物にとても弱く、厚い壁などに遮られてしまい、つながりにくい面もあります。
ただ家庭内だとそれほど分厚い壁もないですし、前述の電子レンジ等の影響をほとんど受けないため、現在販売されているWi-Fiルータは、この5GHz帯を利用するのが主流になりつつあります。
Wi-Fiのもう一つの鍵:通信チャンネル帯域
周波数帯は帯なだけに、実はその幅が決められています。
たとえば『IEEE802.11ac』は、5.15-5.35GHzや5.47-5.725GHzといった帯域を利用しますが、この幅が広ければ広いほどたくさんのデータを送ることができます。
帯域幅が1単位が20MHz、それを束ねて使います。acは20MHzを4本束ねて80MHzとして使うので、かなり幅が広く大量のデータを送信できるのです。
この、帯域を束ねて利用する方法を、「チャネルボンディング」と呼びます。
道路だって車線が多ければ、スムーズに流れるわけですね。
ぐれ太
オレのお腹がポンデリングみたいなのは内緒だぜ!
ちび太
それ、ただのデブだよね?
ぐれ太
放っとけや!
4 件のコメント
11acへの好感は1万円かかるとのことです。
コメントありがとうございます。
NURO光のONUは、2015年9月から無償で交換してもらえるようになりました。
2015年8月以前に設置された機器に関しては、有償で10800円がかかるとのことです。
ご参考までに。
ファーウェイは台湾ではなく中国の会社では?
ご指摘ありがとうございます。
修正させていただきました。