今回は、集合住宅への工事について解説します。
NURO光の集合住宅への工事は、2階建てまでの建物であれば、戸建て住宅と同じ工法を用います。3〜7階建てになると、別の工事方法で行われます。→現在では回数制限は撤廃されています。
工事は2回行われ、屋内部分と屋外部分が別々の日程になりますが、これは工事を担当するのがNURO光側とNTT側に分かれるためです。
下図の①〜④までがNURO光が担当する「屋内工事」、⑤〜⑦までがNTTが担当する「屋外工事」です。
※このページはNURO光の工事について説明していますが、以下の⑤〜⑦の屋外工事はNTTが行いますので、フレッツ光や光コラボサービスでの屋外工事も基本的に同じ方法で行います。
工事をスムーズに完了させるためには工事関係者と協力して進めていきたいものです。工事内容の予備知識があれば、必要以上に心配することはありません。
工事日程が決まったらこちらも参考にして下さい。ちょっとしたコツのようなものですが、つまらない理由で工事を延期させないための工夫です。
なお、戸建て住宅向けの工事はこちらを参照下さい。
目次
1回目・宅内工事の概要
3階建て以上の集合住宅(マンション)が戸建てや2階建てアパートと異なるのは、「MDF室」と呼ばれる部屋(空間)があることです。
上の図でいうと1階部分に置かれた箱状の物体です。
(※アパートは、配線盤が収められた金属のボックスが廊下や壁に取り付けられています)
MDF室:主配線盤 (Main Distributing Frame) が収容された部屋のこと。
左のような巨大な設備もありますが、マンションなら通常、金属のボックスが小さな部屋に収容されていたり、壁に取り付けられています。
マンションは世帯数が多く、電話線や通信用の線を各戸へ分配するための部屋があります。
インターネットの配線もここから各世帯へケーブルが伸びています。
インターネットの回線を工事するには、まずここで作業が必要になるわけですね。
工事日が決定したら、MDF室を開ける鍵が必要となり、鍵の手配を依頼されるのはそのためです。
①MDFから光ケーブルの通線
まず最初にMDFを開けて、光ケーブルの接続口を確認します。
②棟内の配管を利用し、各戸まで光ケーブルを引き込む
MDFからあなたの部屋の壁面にある光コンセント等までのルートを確認し、光ケーブルを通します。
図では、MDFの他に、「IDF」という設備もいくつか存在します。
IDF:(Intermediate Distribution Frame)の略。中間配電盤。
これはMDFが親機とすると、子機のイメージですね。
各階に設置され、各部屋までの中継の役割ですね。
大型のマンションだとIDFがありますが、比較的小さなマンションだとMDFしかない建物も多いです。
NURO光専用の光ケーブルを通し、MDFとあなたの部屋の壁までをつなぎます。
既存配管に何らかの問題があった場合、うまく光ケーブルが通らないこともあります。
築年数が30年以上の建物だと配管が潰れていたり破損していることもあり、最終的にNURO光の導入を諦めざるを得ないケースもあるようです。
③光コンセントの取り付け
光ケーブルの引き込みが成功すれば、次は壁に光コンセントを設置します。
既存のコンセントがあればそれを流用したり、隣に光ローゼットを新規追加する場合もあります。
④光コードの配線とONUの設置
ここは戸建て住宅の工事と同じです。
光コンセントや光ローゼットからONU(機器)までの配線です。
ここまでで宅内工事は終了です。
2回目・屋外工事の概要(フレッツ光・光コラボと同じ)
⑤電柱から光ケーブル引き込み
基本的には戸建て住宅向けの工事とほぼ同様の施工が行われます。
NURO光以外の光回線にも言えることですが、比較的大きなマンションだと、電柱から建物内部のMDF室までは、地下の配管を利用することが多いのです。
(出典:QTnetウェブサイトより)
最近の光ケーブル網は、地下配管が主流になっています。
地下からそのまま建物内のMDF室へ引き込むことになりますが、何らかの理由により同様の手段ができない場合、空中からの引き込みになる可能性があります。
そうなった場合、建物外壁に引留金具を設置する許可をオーナーや管理会社から得る必要があります。
ただ、3〜7階のマンションであれば、空中から引き込んである建物がほとんどでしょう。
実際の施工例です。
・外壁に引留金具を取り付け、光ケーブルを固定
・ビス留めは2〜4ヶ所
・既存の金具を流用する場合あり
・両面テープでの施工はできない
⑥既設の引き込み口から入線
・引き込み口まで距離がある場合、固定用の留め具を設置
⑦MDF内にて光ケーブル同士を接続
ようやく、宅内工事で設置した光ケーブルと、外から引き込んだ光ケーブルが接続されます。
引き込み口から棟内に引き込んだ光ケーブルを、棟内配管を使用してMDFまで通線し、宅内工事時にあなたの部屋まで引き込んだ光ケーブルとを、MDF内で接続させます。
これで全工事が完了しました。
※MDF内に200ミリ✕200ミリのスペースが必要。スペースがない場合、MDF付近にボックスを新設し、スペースを確保する。
この作業に時間がかかるため開通が遅れる事もあり。
あとはごゆっくりNURO光をお楽しみ下さい!
なお集合住宅の工事は、延期されることもあります。
その理由については以下を参照下さい。